2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin ドアにめり込むよりも、もっと奇跡的な確率
<4/19/97 up>




ここに厚さ数ミリの鉄製ドアがある。確率論でいけば10の24乗回体当たりすれば、そのうち1回は「するり」と抜けられるという。鉄と人体の原子の透き間が一致すれば、理論上可能だそうだ。まさかと思ったので計算してみた。仮に全人類50億人が1秒間に1回ぶつかったとして、10の24乗回ぶつかるには…えっ、634万年!もかかる。確率だから、奇跡の日は明日かもしれないが、それを証明する実験をしていたら、子供をつくる暇もなく、人類は滅んでしまう。しかも中途半端に頭だけドアにめり込んだ人が出たら、生活しずらいだろう。やめた方が賢明のようだ。
ところが生物が発生する確率は、ある天文学者の説だと実に10の4万乗分の1!だという。計算してみた(よくよく暇なんだなあって?ほっといてほしい)。これはしかし計算のしようがない。100億本に1本しか当たらない宝くじを、同じ人が、えーと4000回連続して当てる確率だ。想像を絶するとはこのことだ。しかし生命が、それほどの奇跡なのだということはよーく分かった。遺伝子の解明が進もうとも、それは単なるタンパク質の組み合わせで、なぜそこに命が宿るのかはいまだになぞのままだという。私たちはとんでもない奇跡に恵まれて生きている。そのことは、常に頭の隅に置いて生活していきたい。
さて、それはそれとして。今後の人生で、絶世の美女とすてきな一夜を共にする幸運に恵まれる確率は、えーと‥‥。

(佐藤 紀生)
ya1 馬鹿ミニ ya2

Blowin' in the Wind / by Bob Dylan