pinどこまでもB型
(佐藤家の日常から11)
< 12/22/99 up >
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先日の3者面談

「あきさんは明るくて、申し分ありません。その上、みんなを楽しませてくれるというか、笑わせてばかりいます」
「あっ。また何かやりましたか」
「いや大したことではないんですが。ジャージをですね、後ろ前に着るのは、癖なんでしょうか」
「そうなんですよ。セーターとかも、しょっちゅう後ろ前なんです。父親もなんです」#(1)
「お母さんひどーい。いつもじゃないもん」
「そうですか。いつもですか。でもこないだは上下とも後ろ前でしたから、とても笑いました。うはははは」
「えっ!上下ともですか。すみません」
「いやいや。みんな楽しんでますから。お気になさらず。うははは」
「うははは」
「‥‥‥」#(2)
学校の帰り道、恥をかかされ大いに恐縮したガイと、バカ笑いで誤魔化したあきの間で、今年に入って何度目かの不毛なバトルが繰り広げられたことは言うまでもない。

そういえば

あきは学校にリュック(今は学生鞄というのは死語なのだな)を忘れて来たことがある。

「あんた忘れもの多いんだからね。しっかりしらいんよ」#(3)
「してます」
「お母さんは、中学時代、必ず1時間は勉強したんだよ。試験近いんだから、マンガばかり読んでないで、ちゃんと勉強しらいんよ」
「します」

怒り心頭のガイだが、実は自身も小学校時代、学校に着いてからランドセルを忘れていたことに気付いたという過去がある。彼女は、玄関まで見送ったにもかかわらず、娘がランドセルを背負っていないのに気づかなかった母親、さらに登校途中に誰一人として、指摘してくれなかった同級生のせいにしている。本末転倒なやつだ。
でもどうやったら毎日、毎日背負って登下校するランドセル、リュックの重みが肩にないのに違和感も覚えずにいられるのだろうか?不思議だぞ、この親子。
ガイは自分のケースは小学生であることを理由に、あきよりはマシだと思っているらしいが、どう考えても登校時の方が間抜けだと思う。
ちなみに母親の血液型はB型である。娘もB型である。そんなオバカな2人に苦悩する父親もB型である。収集がつかないのである。

さらに勢いとはいえ「毎日1時間は勉強していた」といい放つとは呆れたぞ。毎日1時間?嘘こくでない。「りぼん」とか「マーガレット」とか「伊賀のカバ丸」#(4)の単行本ばかり読んで、「えへへ」&「うははは」と笑っていたという事実は兄姉の証言で明らかである。
娘の方はハナから信じていないようだったが、あきのしつこい性格を懸念したガイは実家のばーちゃん(つまりガイの母親)に電話して、口裏を合わせるように頼んだという。

何とも情けない母親である。それにしても孫へウソをつくために、口裏を合わせることを強要されたばーちゃんが不憫である。ちなみに、ばーちゃんもB型である。まったくもって収集がつかないのである。

( のりお )

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あずみによる脚註
うーん、あまりにも並外れたサザエさん母娘にビックリだ。しかも父は、いざというとき必ず大失敗ののりおくんだもんなあ。
1.) 父親もなんです:
私も、のりおくんが服を前後ろにきてるのは、何度も見ているし、裏表というのも見ている。あと、ボタンの掛け違えも得意ですね。あきも父のそんなところを受け継いでるんだろうね。
2.) うははは:
娘が最初に誤魔化し笑いをしたら、ガイ母さんは黙るしかないかもね。
3.) しらいんよ:
純粋気仙沼弁で“しなさいよ”のこと。気仙沼弁に興味の在る方はオヤマさん▼よた話のコーナー▼へゴー!
4.) 伊賀のカバ丸:
亜月裕作。1970年代に別冊マーガレット(集英社)に連載されていた、学園コメディ。情け容赦ないジジイに忍者として育てられたカバ丸が、ある日突然学園にやってきててんやわんやというお話。その後、ドラマにもなった。ガイが一番好きなマンガらしい。



カバ丸は、焼きそばが一番好きだったっけなあ。