2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin 東北弁の逆襲
<1/11/98 up>




広大な麦畑が続くアメリカ中西部にUFO出現。農家の男性がテレビカメラに叫ぶ。「オラが東の空ば見上げっと、でっけぇ光の玉が、こうヒューッて飛んでただよ」。見事なまでの東北弁だ。もちろんこのジョン・スミスさんが東北弁に堪能なわけではない。翻訳をそうするのだ。間違っても「ごっつう明るい光でしたがな」とか「ありゃあUFOじゃけん」にはならない。外国人が東北弁の吹き替えで登場する場合、農家、田舎者、使用人というあたりが定番か。古くから指摘のある問題で、いまさら目くじらを立てる気はないが、いつか逆手に取ってやりたい —— と思う。
そのためにはまず、東北弁が持ち味=男性演歌歌手という図式を崩す。作戦その1。東北弁を話す女性アイドルを生み出す。気仙沼ちゃんではだめで(同郷人をけなしてごめん)、もうポスト広末涼子を狙う。そしてトレンディードラマをつくるのだ。今までのドラマに出てくる変な東北弁は却下。それでは通じない?いいのだ。知らなければ学べ!という強い姿勢で臨む。
清水義範の短編「町の顔」に鶴岡市を訪れた際のエピソードが出てくる。バスに乗り込んで来た女子高生がやがて行き先違いに気付いて一言「行がね!」。愛らしさ、野暮ったさ、性急さ、おっとり感がないまぜになった、東北弁の魅力がよく表れている。
ほんわりした率直さが東北弁の持ち味だ。作戦その2。不況の元凶、橋龍に面と向かって「これ、あんましおだずなよ」と啖呵(たんか)を切れる議員を育てる。東北弁の地位向上間違いなしだけど、だめすか。

(佐藤 紀生)
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