2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin 不惑
<2/23/98 up>




数年前。友人の父親が亡くなり、葬式の席。親友と2人で弔電を読む係を務めた。親友は目端が利き、裏方をやらせたら万事抜かりのない男で、その日も雑用をこなしていた。
いざ本番。故人は地域の大物だっただけあり弔電の数は多かった。しかも葬儀委員長からは「電文は全部読め」との厳命。弔電を開いて渡す。やつが読む。しかしいつまでたっても弔電の束は減らない。業を煮やした司会から「早く終わらせろ」の合図。会場全体からも暗黙のいらだちが伝わってきた。一気にうろたえる2人。ふと親友の足元を見ると、何とそこには鮮やかなブルーの靴下!どうやら御用繁多で、うっかり靴下を履き替えるを失念したらしい。親友もそのことに気付いたらしく、冷や汗が滴り落ちる。親友は横目で「助けてほしい」と必死で訴えている。しかし、どうすりゃいいんだようと、こちらも視線が宙を泳ぐ‥‥。その後の記憶は不鮮明だ。気がつくとぼう然自失した2人が会場の隅にあった。
気仙沼小1年9組!おれの前の席にやつがいた。出会いから34年の今年は男子の本厄。やつは例によって目前に迫った厄払い行事の事務局を引き受け、雑用に追われている。中学時代あこがれの彼女に会える —— と張り切っていたのに、やつから「彼女の出席はうそ」と手ひどい仕打ちを受けた。腹筋運動もしていた。養毛剤も買った。なぜかと言われると困るがパンツも新調した。この欄を借りて、その言動を断罪するぞ。チクショー(不惑なのに、こんなバカしていていいのだろうか)。

(佐藤 紀生)



あずみ(註)
・その後もう一回出席の連絡があり、会費の振込もあったのに、当日子供が風邪で熱を出したそうで結局欠席したらしい。のりおくんの心の内はどうだったのか?果たしてパンツは新品だったのかは結局不明。

ya1 馬鹿ミニ ya2

Himitsu Girl's Top Secret / by Zazen Boys