2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin 娘は知ってるお父さんの下心
<4/27/97 up>




口は災いの元である。
かつて気仙沼・本吉地方の某町を担当していたころ、議員の中に一般質問はおろか、議案審議でも発言する姿を見たことがないというご仁がいた。取材で立ち寄った公民館で議会の話題となり、やれ「税金泥棒」だの「次回は落選させるべき」だの口を極めて、くだんの議員の悪口をまくし立ててしまった。しばらくして、目の前の公民館長がきまり悪い表情でぽつり。「後でよく弟に言っておくよ」。
すべては後の祭り。幸い、その館長さんはできた人だったため、取材で差別されるなんてことは一度もなかったが、肝を冷やした。
そういえば何年か前、たしか小学三年だった娘が「なんで新聞記者になったの」と聞いてきたことがある。「そりゃあ女にもてたいからさ」といつものように意味不明の冗談でごまかしたが、それがとんでもない結果を招いた。それは何と学校の「お父さんの仕事」という宿題で、娘は参観日に堂々と「うちのお父さんは女の人にもてたいから新聞記者になったそうです」と発表したからさあ大変。女房は穴があったら入りたいという比喩、そのままの状況に置かれたそうだ。いやあすまん、すまん。
つい最近も電力会社の人を相手に、女川町が温泉を掘り当てた話題で「原発もあるし、ラドン温泉だったりして」と口を滑らせてしまった。乾いた笑い声は出たが、目は笑っていなかったな。こうなると軽口も病気だ。改めよう(でもやめられない?)。

(佐藤 紀生)
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