2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin 「死ね!ズンドコ車」
<6/16/97 up>




最近もっとも気に障ることがひとつある。市街地をやたらと大音量でカーステレオをかけてちんたら走っているあの車である。雑誌かなんかで口径四、五十センチはあろうかという特大ウーファーをはじめ、車中、スピーカーを中心にオーディオ装置で埋め尽くしている改造車(悦に入っている若いあんちゃんのバカ面写真入り)を見たことがあるが、あの類いだと思う。
まあそれでも窓を締め切って、市街地以外の場所をクルージングなさっているのならば、まああえて目くじらを立てるつもりはない。がしかし、そういう奴に限って渋滞の市街地で、バカのひとつ覚えのような黒いウインドウフィルムの窓を、自分の間抜け面が分からない程度に半開きにして、お気に入りのユーロビート(そんなのを聞いている奴がまだいるのか!)をフルテンで掛けていらっしゃるのだ。
それがとてもうるさい。こもった低音が「ズンドコ、ズンドコ」と響き渡るのだ。わたしの会社は通りに面しており、しかも交差点の近く。悪いことに前面ガラス張りなもんだから、このズンドコ車が停車すると、会社全体が共鳴して「ズン、ズン、ズン、ズン、ズンズンドッコ」とビリビリ箱鳴りするからたまらない。その都度社内の全員が窓際に集合して、中指を車に向けて立てるのだが、運転しているバカはあまり気付いてくれない。たまに助手席の「この男にして、この女あり」という格言をしみじみ味わう不細工な女が、ドロンとした目でこちらをにらむことはあるが、善良な市民は泣き寝入りするだけである。
右翼の外宣車でも借りて、この手の車が来たら、ディスチャージなどのハードコアパンクをガンガンかけて対抗したいものだ。そうか。どうせなら右翼車で、一日中追跡してやるか!それとも奴の家を突き止めて、「ズンドコ返し」の陰湿報復でもしてやるか。それともどうせ轟音で回りの物音は聞こえないだろうから、こっそりとタイヤをパンクさせてやるのも一興かもしれない。
まあそこまでやるのは大人げないし、相手の思うツボかも分からない。そうだ。会社で「ズンドコ撃退バンド」を結成して、ズンドコ車が来たら、道路に飛び出して奴らの前で一曲盛大に披露するというのはどうか。
素早さが命だから、ギターを抱えながら仕事をしなければならないが(ドラマーはドラムキットを内臓した机に改造しなければならないので大変だが)、信号待ちしている三十秒間に勝負をかけたい。だれか作曲してくれ。曲名はもちろん「ズンドコ恨み節」。みんな応援してくれよな!

(佐藤 紀生)
ya1 馬鹿ミニ ya2

Mr. Cab Driver / by Lenny Kravitz