pin観察する日々
(佐藤家の日常から25)
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ゆーたの観察日記(その3)


ぼくは、じいちゃんの観察をするのがシュミです。じいちゃんはテレビを見ながら、うなずいたり、笑ったり、たまにはおこったりします。特にどこでうなずくのかを予想するのが楽しいです。なかなか難しくて、当たるときもあれば、外れるときもあります。
この間、野球のジャイアンツの元木選手が結婚するというスポーツニュースで、その相手の女の人#(1)が画面に大きくうつし出されました。おじいちゃんは目が悪いので、ぐぐぐっとテレビに顔を近づけ、真剣な顔でじっと見てから、ゆっくりとうなづいていました。
ぼくもかわいい女の人だなあと思ったので、一緒にうなづきました。予想が当たったのでうれしかったです。



と、じーさんとうなずき合ったゆーただが、その日の観察の成果をガイに報告するのを常としている。その日も一緒に風呂に入った#(2)際に予測結果をこと細やかにレポートしたという。

「結婚するならやっぱりかわいい人がいいなあ」
「面食いだからね、あんたは」#(3)
「お父さんも、そう思ったんだよね。お母さんのこと」
「もちろんでしょ」
と間髪入れず答えるガイ(推論的中率100パーセント)。
「お母さんは、お父さんのこと好きなの?」
と今度は切り返されたガイ。
「‥‥まあ、うん」
と、幾分言いよどむものの、教育上の配慮で仕方なく肯定するガイ(推論的中率100パーセント)。
と、ふっとゆうきが黙り込んだ。
—— しまった!もっとはっきりと力強く『うん』と答えればよかった。自分が負けず嫌いのために息子の純な心を傷つけたかも‥‥と狼狽する母親。
「うん。大好きだよ。本当に。とっても、とっても‥‥」#(4)
と取って付けたように弁明するガイ(推論的中率99パーセント)。でもよく見るとゆうきの目が三日月になっている。
「好きだと、何するのかなあって想像してたの。えへへ」
「どんな想像してるの?」
「‥‥教えない。でへへ」
って、ゆうきは父母のどんなこと、どんな場面、どんなシチュエーションを想像したのか?

全方位外交のゆうきは、ばーさんとも仲良く密談することも多い#(5)。そんなとき、一緒に「ウハハ」と笑い合っていることが多い。最近は「何か変な報告をしているんじゃないか」と気が気でない父母であった。

( のりお )

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あずみによる脚註
父がこうやって、家族のことを観察してネットに上げてる影響なのだろうか、ゆーたの観察眼もますます鋭くなってきてるね。教育的に有効なんでしょうか?
1.)相手の女の人:
元木の相手とは、云わずとしれた大石恵ではなくて、元日本テレビアナウンサー大神いずみ。ちくしょー元木の野郎、大石と別れた次は大神かい!と、わたしは相当むかむか来ましたね。ところで、2人は2000年の1月に結婚はすませていて、このニュースはこんどのオフ(2000/12)に結婚披露宴をしたということだったのですね。
2.) 一緒に風呂に入った:
5年生のゆーたは、まだお母さんといっしょにお風呂にはいってるのだな。だから、母のオッパイの垂れ具合に微妙なフォローが入るわけだ。
3.)「面食いだからね、あんたは」:
ゆーたは、たくさんいるガールフレンドのなかから、どうやら2人に絞り込んでいるという裏情報が入ってきてるんだが、どっちも可愛い子なんだろうな。
4.) 大好きだよ。本当に。とっても、とっても‥‥:
いきなりとってつけたように云っても、全然フォローになってないぞ。
5.)ばーさんとも仲良く密談することも多い:
ということは、ゆーたの観察報告を一番多く聞いてるのはばーさんなのか?のりおくん鋭意取材を求む!




ナイス!ゆーた(その3)