pin炎が立ったら土下座するべし
(佐藤家の日常から30)
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ゆーたも怒られることがある

向こうっ気の強い母娘のノーガードの打ち合いと違い、ゆーたはのらりくらりとガイのパンチをかわすのが実にうまい。
まずフットワークが抜群で、ガイの口撃から逃げまくる#(1)。逃げながらも、「言い訳」ジャブを返すところは、あまのじゃくの父親の血かもしれない。さらに母親の怒りが強まると、突如クリンチ作戦に出る。この甘えん坊技に移るタイミングが実に絶妙で、口うるさい母と姉に対抗するために編み出した「太陽作戦」#(2)と言えよう。
大抵はこの段階で、ガイも「これからは気を付けなさいよ」と追撃をやめるのだが、ガイが怒り心頭に達した時にはそんな「逃げ足戦術」も「太陽作戦」も通じなくなる。ゆーたはそう判断するやいなや、態度は一変。「ごめんなさい。本当にごめんなさい」とコロッと泣き落としにかかるのである。
『やや上目遣いに相手の顔色をうかがい、ひれ伏すように謝るべし!謝るべし!謝るべし!』。あしたのジョーも真っ青の土下座戦法#(3)で、ひたすら相手の怒りが収まるの待つのである。
ガイ曰く。「その時、ゆーたには私の背中から炎が立ち上るのが見えるんだと思うよ」。だそうである。恐るべし。NHKの大河ドラマでもあるまいし「炎(ほむら)立つ」#(4)女。おれも何度か見たような気がするし、こっちは何年間も続くであろう超ロングランドラマなのだから、大海原ドラマかもしれない(うそ)。

( のりお )

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あずみによる脚註
ゆーたも、そんなに怒られることがあるんだな。でも、おねーちゃんに怒られたときはどうすんだろう。
1.) ガイの口撃から逃げまくる:
そういえばのりおくんも、むかしから逃げ足だけは速かったな。
2.) 「太陽作戦」:
ノーベル平和賞受賞者、韓国の金大中大統領が、就任直後の1998年に打ち出した、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対して融和的開放的に包容力を持って接し、改革解放を促そうというのが太陽政策。ゆーたの太陽作戦は、あいての包容力を引き出す作戦だから、意味が逆かな。
3.) 土下座戦法:
あしたのジョーは1968〜1973年、講談社の少年マガジンに連載された、高森朝雄(梶原一騎の別名)原作、ちばてつや画のボクシングマンガで、既に伝説となっている名作。主人公矢吹丈が少年院の独房で覚えた、おっちゃんからの葉書“あしたのためにその1”に書いてあったジャブの打ち方、えぐり込むように打つベし!打つベし!打つベし!をパロった。でも、あしたのジョーのはノーガード戦法だから、土下座とはだいぶ違う。ファンはここ(HEY JOE)を要チェック。
4.) 「炎(ほむら)立つ」:
1993〜94年にかけて、放送されたNHKの大河ドラマ。高橋克彦原作。渡辺謙主演。平安末期奥州藤原三代を舞台とした。岩手県江刺市に作られたロケ用のセットが「えさし藤原の郷」という観光施設になるなど、話題を集めた。




ガイは、あしたのジョーよりゴルゴ13のほうが好きなのかな?