![]() (佐藤家の日常から6)
< 5/11/99 up > ![]() ![]() ● 3日前のガイ
あまりにも真剣にNHKスペシャルを見ていているので聞いてみた。
「遺伝子ってどこにあるのでしょうか」
「うーん。脳」 「・・・・・(やはりそうきたか)」 「(返事がないからか間違いなのかな。じゃあ)・・・心臓?」 「・・・・・」 「(いけない。また外したみたい。脳だと思ったのに。違うなら、うーん。えーと)耳?」#(1) ● 翌日、あきに聞いてみる
「遺伝子ってどこにあるでしょうか」
「分かりません」 「お母さんは耳だってさ」 「うっっそー。バカじゃないの」
自分も分からないくせに、堂々と母親をバカ扱いする娘。
「(どうせお母さんの答えはおかしいのに違いない。ゆえにこの場合は、信じられないという反応が正しいであろう。だから重ねてもう一度)バッカだよねー」
ガイ、バカ扱いにたまらず参戦。
「自分も分からないくせに、なんでバカなのよ」
「耳だってさ。うはははは(ここは一つ理不尽に攻めまくろう)」 「自分だなんか、遺伝子すらしらなかったくせに。ふん」 「耳に遺伝子なんかありません」 「いやだねー。開き直って。だれに似たんだか」 「お母さん」 「違います」 「そうです」
耳を疑ったぞ。でもなんか遺伝子の本質を絵に描いたような会話ではある。#(2)
人生は深い。
● 翌々日のユータ
「ねえ、おばあちゃん。いでんしってどこにあるか知ってる」
「分からないよ」 「あのね。耳だって。お母さん」 「そうなの」 「ううん。お母さんね間違い。耳だって。信じられないよね」 「耳じゃないの?それじゃあ、お母さんだめね」 「うん。耳だって。はははは」 「はははは」#(3)
人生はさらに深いぞ。
( のりお )
![]() ![]() ▲あずみによる脚註
DNA恐るべし。DNAの繋がりがこんなに見事に現れているから脚注は不要だけど、蛇足を少々。
1.) 耳?:
どうして耳となったのか?のりお君によると、一番重要な頭にくっついてるという一点で耳と云ったらしい。耳の次は目とか口とか云ったかもしれないとのことだが、私の推理によれば、
こう思えるのだけどなあ、本当のところはどうでしょうか。
2.) 遺伝子の本質:
母が間違っているに違いないと即断する、そのおっちょこちょいな判断力、一歩も引かずツッパリ合う母娘のその姿に、DNAの螺旋が見えそうですね。
3.) はははは:
よくわからないけど、間違っているなら笑っておこうという、調子いい姿勢はばあさんから延々螺旋が続いているぞ。 |