pinゴルゴの睡眠
(佐藤家の日常から7)
< 7/1/99 up >
yoko
yoko



最近のガイ

ガイはここ1ヶ月ほど、ゴルゴ13の106巻「オフサイド・トラップ」を枕元に置いている。全然片づけないので、おれが本棚に戻そうとしたら「まだ途中」という。
え? 1000ページもあろうかという京極夏彦の本ではなく、漫画だぞ。
事情を聞くと、なんとガイは毎夜、布団に入って読み始めるか36ページで前後必ず寝てしまうという。確かに気仙沼1、2を争うかと思えるほど(ライバルははガイの強力睡眠遺伝子を受け継いだゆーた)寝付きがいい奴だが、それでも、なんでなのか。
その「オフサイド・トラップ」の36ページを開く。漫画なので、セリフを拾い出すと

「今、日本は急激な円高に直面しています」
「今年初めから現在に至るまでの間に、ドルに対して円は2割も上昇しています・・・確かに円高は長期的に見れば、日本にとって悪いことではないでしょう・・・基本的に為替相場は日米2国間の、ファンダメンタル(経済の基礎的条件)によって決まるものなので、円高は日本の経済力が高く評価されたことを示しているのですから」
「それが、坂本さんの“遺志”と、どのような関係があるのですか・・・?」
「しかし、今の日米の経済の現状を考えてみますと、大胆なリストラの結果、米経済が上向いてきている一方で、日本経済はバブルの清算に追われ、泥沼の不況に足を取られている・・・普通に考えると、円安に進んでも良い状況にあるのに・・・逆に円高が急ピッチで進んでいる!なにかおかしいとは、思いませんか?」

うははは。
これではガイに寝るなというほうが無理だ。
しかし・・・。夜毎、こんなことを繰り返しているのか!

「今日こそはと、思うんだけど。気が付くと寝ているの」
まあ、しかし実に手軽な安眠剤だよなあ。
この「オフサイド・トラップ」でゴルゴ13が登場するのは、80ページ。
ガイは主人公が出る前に鼻息を立てて、眠りの世界に落ちていることになる。
しかも1ヶ月も!
聞けば、高校の数学の授業中に「目を開けたまま寝たことがある」と言うくらいのやつだからな。

夜、ガイと二人でテレビを見る。映画でもドラマでも何でもいい。クライマックスにさしかかるころ、ふと横のガイを見る。
95パーセントの確率でガイは寝ている。
この間、二人とも好きな古畑任三郎。#(1)やはり古畑が、謎解きを始めるまさにそのとき、ガイは夢の中にいる。さっきのCMの時までは起きていたのに、わずか1分で、もう寝ている。
そして肝心要のところを見逃して、毎回悔しがる。

あきさんコメントをどうぞ

「6年生の時、読書感想文でもらった特賞の賞状を額に入れてほしいと何回も言ってきたのに、2年間も忘れるような人です」
「あんただって、半年に一回思い出したように騒ぐだけじゃないの」
「そのたびに忘れるのが信じられません」
「明日、やります」
「忘れます」
「今度は忘れません」
「忘れます」
という会話から1週間。
ガイもあきも賞状のことはとっくに忘れている。
また半年後に同じ会話があるに違いない。

( のりお )

yoko
yoko

あずみによる脚註
不眠症のひとには羨ましい、ガイの“超能力”だねえ。ともかく蛇足を少々。
1.) 古畑任三郎:
ガイは西村が好きに違いないな。おれも彼には常々好感を持ってるぞ。ところでおれの苦手は、どっちの料理ショーだ。あれの勝敗判定のときおれは、30%の確率で寝てしまうぞ。
ところで、古畑では最後の謎解きのところなんか、見なくても問題ないと思うぞ。



おれは酒を飲むともう一発で爆睡です