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2015年に出版され、今年、文庫化(小学館)した猪瀬直樹著(註1.「救出-3.11気仙沼公民館に取り残された446人」(河出書房新社)。
出版に必要な気仙沼市内の関係者の聴き取りを、故あって請け負った。東日本大震災の翌年の晩夏から初秋にかけて、津波で水没孤立し、閉じ込められた旧一景島保育所関係者ら約20人にインタビューをした。
構成上、ボツになったエピソードがある。その中の一つは特に印象深かったので紹介したい。

当時、2歳児の担当保育士への聞き取り。震災から2日後の朝、ヘリコプターで救助された。その際、先に収容されていた子どもたちの姿だ。
「脱水症状もあり具合の悪かった4歳の女の子が、3歳の女の子、そして1歳の男の子と3人が輪になって座っていました。あんなに怖い思いをし、つらいはずなのに、自分より小さい子を思いやっていた。3人でしっかりと手を取り合い、じっとしていました。あの光景は忘れることはできません」
共助の大切さ(註2.は、あの大災害で身に染みたが、この幼子たちの話は、大きく心を揺さぶられた。
あの日、あの時から10年半の歳月が流れた。復興の形は見えたが、心の復興、そして教訓の継承はゆめゆめ忘れてはならない。
あのとき、支え合った幼い子どもたちの共助の姿を想像しつつ、前を向き続けたい。


(佐藤 紀生)



註1.:猪瀬直樹著
・猪瀬さんはあんなことがあったため、一般にはイメージが悪いけど、こう云う仕事はちゃんとやってたんですね。気仙沼の人たちは今でも猪瀬さんと東京消防庁、大変感謝してますから。

註2.(註1.
・あの時は、どこの避難所に行っても子どもたちが驚くほどしっかりしていた。うちの子たち(当時小学5年)も、なんか色々頑張っていた。その経験は、おそらく彼らの奥深くに何かをしっかり根づかせているに違いない(と信じたい…)。 (以上:あずみ)


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