2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin キャリアとタイマーズの間にあるものとは
<3/11/98 up>




昨年、ダントツでおもしろかったテレビドラマは「踊る大捜査線」。警察社会のキャリアとノンキャリアの深い溝をユーモアたっぷりに描いて見せた。今話題のオークラ省などでは、どんなに有能でもノンキャリアは本庁の課長補佐どまり。キャリアは20歳代で地方の税務署長、30歳代には課長だ。たかだか20歳前半のペーパーテストの結果だけで、その後の人生が決まるなんてのはばかげた話だ。
この種の差別は世の中にごろごろしている。新聞社だって記者募集には「大卒以上」という枠があるところが多い。入社試験があるんだもの、学歴不問でいいと思うのだが、門は閉ざされている。世界を見れば、紳士の国イギリスだって、いまだに階級制度が残っている。世界各地の民族、部落差別問題も根深い。社会がキャリアとノンキャリアを必要悪としているのではないかとさえ勘ぐりたくなる。
せめて個人的には、そうした区別で人は見ないように心掛けたい。マスコミ関係者の中にだって、社会的なキャリアと勘違いしている輩も多い。職業上、お偉いさんとさしで話せる。しかしそれを自分まで偉くなったと勘違いすると、その段階で記者は庶民ではなくなる。相手がお偉いさんだろうと、なかろうと「区別しない」という気概こそが記者の必要条件だ。
忌野清志郎の覆面バンド、タイマーズの歌に「偉い人」という歌がある。「もしもぼくが偉くなったなら 偉くない人や、さえない人たちをばかにしたりしないさ」というのがあった。ピタリ。そこだぞ!

(佐藤 紀生)
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