2/15/1999 Renew   ホーム  インデックス

pin 内視鏡でアハン
<2/9/99 up>



pin 1997/12 気仙沼中学校26回生会報より再録


健康診断で大腸にポリープが見つかった。
小さなものだったが、医者の勧めもあり内視鏡で切除することにした。黒光りする太い管がケツの穴に侵入する。その瞬間「アハン」と世にも情けない声が…。何しろ初体験である。「大丈夫?痛くなあい?」と耳元でささやくドクターの声に「うぐっ」とか「アヘ」とかしか答えられず、涙となぜか鼻水が出た。
「働き盛り」という美名とは裏腹に最近、体のあちこちにガタが来ている。胃炎、肝炎、大腸炎、肺炎…と五臓六腑は次々と炎症を起こす。腹は出る一方だし、小便の切れは年々悪くなる。脳みそは酒浸りでふやけっぱなし。家では小6の娘に「オヤジ」と後ろ指差される始末で、また抜け毛が増えるなぁ。トホホ。
当たり前だが、昔からオヤジだったわけではない。中学時代は若さを通り越して幼かったくらいだ。小中通じて「整列!前にならえ」で腕を前に出した経験がない(両手はいつでも脇腹に当てていた)という貧弱な体格のせいかもしれないが、うぶでもあった。
ああ中学時代。スケベ心はまだ芽吹いてなかった。その後「手も早いが、逃げ足はもっと早い」と定評を得るまでに成長したのが嘘みたいだ。だからこそ中学時代の思い出は甘酸っぱい。あこがれの彼女は今でも永遠に輝いているし、バカな悪友の多くは、その3年間にできた。
あれから25年。スケベ心に功名心、山っ気に厚顔無知で「ムラムラ」と生きてきた。これからも「ムラムラ」はやめられないだろう。でも「紀元前」ともいえる少年の日々は、心の奥に大切にしまってある・・・とセンチな私に、娘の声が。
「お父さん。中学時代、だれかと付き合っていたの?」
「あたぼーよ。広末涼子を巨乳にしたような女の子だったなあ」
「スケベ、嘘つきオヤジ!」
ちくしょー!グレてやる!

(佐藤 紀生)
ya1 馬鹿ミニ ya2

Steppin' Out / by Joe Jackson