6/18/2001 up   ホーム  インデックス

pin 抗菌でPL法




えー、毎度おなじみ抗菌のお話でご機嫌をうかがいます。
善男善女の皆さま、今度テレビでCMを見る場合、ぜひチェックしてもらいたいっつうところがあるんです。
例えば洗剤ですな。
汚れ落ちをアピールするコンピューターグラフィックス。
えっ?横文字では分かりづらい?じゃあ縦文字で言いますと「電子計算機合成映像」と‥‥とこちらの方が訳が分からないか‥‥。
まあ早い話がパソコンで、でっち上げる本物らしく作った絵ですな。
その絵をよーく見ているっていと、絶対にほんの少し汚れが残った状態でCMが終わります。
いえいえ。あたしゃウソは申しません。
もう全部が全部百パーセント、見事にそうなんですよ。
これは歯ブラシや水虫薬、除菌剤、デオドラント(臭い取り)商品でもみーんな同じ。
なぜかと考えました。そこであたしゃ旗!と気が付いたんです。
完ぺきに汚れや、ばい菌を取り除いた映像を使うと、それはウソっぱちになるからなんですな。
手軽に「歯垢(こう)を百パーセント取り除く」「完全滅菌」できる市販商品なんてのは世の中にあるわけがない。
もっとも濃硫酸で歯を磨けば、歯周病菌が百パーセント死ぬかもしれませんが、その代わりあごが溶けて、おまんまが食えなくなっちまう。

消費者の時代なんだそうで、桑田真澄と清原和博がつくったPL(製造物責任)法(註1.)もあるこってすし、メーカーはそうしたクレームにビクビク、敏感なんですな。
そいつが「ちょびっと汚れ残り」の映像に表れていると、あたしゃ睨んでいるんですがね。
しかしこの清潔社会はちと異常ですな。
風邪の予防にうがいは鉄則だと思っていませんか?
ところが、思うほど効果がない(註2.)というリポートが医学雑誌に掲載され話題になったそうな。
手を洗い過ぎて、逆に肌が荒れ、そこにばい菌が付きやすくなったり‥‥。
こうなると本末転倒、わたしらは自分の免疫力をわざわざ落とすことを繰り返しているのかもしれない。因果な話だと思いませんか。
抗菌エアコンに抗菌靴下‥‥。(註3.)
そのうち抗菌ヨーグルト(意味がありませんやね!)や抗菌テレビ(意味不明ですかな)なんてのも開発されるんじゃないか —— なんて混ぜっ返したくもなるってもんでしょ。
いつしか免疫機構は徐々に失われ、人類は抗菌マスク越しにキスをするようになるんでしょうかね。
えっ?抗菌スキン越しにHしているって?それは一本取られました。
‥‥てなところで今日は、このへんでお開きにいたしやしょう。

(佐藤 紀生)



註1.:桑田真澄と清原和博がつくったPL(製造物責任)法
・ギャグとも云えないだろうベタベタ物件、あえて否定するのもはばかるぞ。

註2.:思うほど効果がない
・風邪の予防には、うがいと手洗いにマスク。これらは国民的な合意を得ているが、そんなことはないと云う意見は前々からあった。まずマスクの有効性が疑われ、現在では咽の湿度を保つほどの効果しかないという論調が勝ってきているようだ。次がうがいで、これも風邪の予防としては、どれだけ効果があるのかと疑問視されているようだ。確かにイソジンなどは、口内の雑菌(特に細菌)には効果があるようだが、はたしてインフルエンザや風邪に対しどれだけの効果があるのか、そこらへんに疑問を持っている人は多い。ま、それはそうと件の論文に関しての記事を見つけられなかったので、当ウエブページでは依然、風邪にうがいはやや有効であるという論調に日和っておきます。

註3.:抗菌エアコンに抗菌靴下‥‥
・カビが発生しないくらい強力な抗菌フィルターを装着したエアコンから流れてくる空気は、なんだかスゴーク身体に悪いような気がする。抗菌靴下をはかせたいやつは、いっぱいいるけど。って、抗菌靴下は水虫にも効くのか?本当なら恐ろしいな(この項:あずみ)
ya1 馬鹿ミニ ya2

Road of Resistance / by BABYMETAL