5/2/2002 up   ホーム  インデックス

pin とんでも議員




今まで気仙沼・本吉および石巻地方各市町で、多くの議会を取材してきた。ごたごたしている中央政界とは違い、住民の声を反映すべく汗を流し、人格識見もさすが「選良」というべき人もいる。しかし残念なことに、箸にも棒にもかからない議員、「親類の数が多いから当選した」などと陰口を言われている議員も少なからずいる。
ある日のある議会。福祉問題を巡って、昼食時間まで食い込んで議論白熱。それまで議場で一度も発言した姿を見たためしのないご高齢の議員までもがサッと手を上げた。「おっ」と、やや見直しながら視線を送る。その直後、彼の口から出た言葉がこれ。
「議長!ソバが伸びる」
傍聴席から転げ落ちそうになった。
おーい!おい!出前で頼んだ中華ソバの麺を心配する前に、住民の福祉の心配をせんかい!大体、伸びる心配のあるものを昼食に頼むなよ!頼むからさあ‥‥。

別の日の別の議会。ある議員が一般質問。鼻息荒く、熱弁を振るっている。が、どうも時折分からない言葉が交じる。
「‥‥私たちはジラ努力して行かなければなりません‥‥」
何だろう?さっきから何度を出てくる「ジラ」(註1.)って。首をかしげる。自分の語彙不足を嘆いていたが、はた!と気付いた。
もしかしてジラって『自ら』のことじゃないのか。取材メモを読み返して、ジラ、もとい自らの推理に確信を得た。
小学生でも読める漢字なのに —— と頭の程度を疑う。しかしまあ、新人議員だ。そう意地悪をぜずに、漢字をうっかり読み間違えたんだ —— と温かく見守ってやろう。許してあげよう‥‥と考えたが、どうも釈然としないものが残る。なんでだ?
そう。自ら一生懸命書いた原稿なら、漢字を読み間違えるなんてことは、ありえないよなあ。‥‥ってことは、つまり‥‥。アンドやっぱり‥‥。

‥‥中央政界では、議員辞職して当然と国民の大多数が思っている人が居座っている。まさか地方議会にはいないよなあ、そんな人。
‥‥そうそう。気仙沼市役所わきの駐車場のゲートをぶっ壊して逃走した村上芳文議員(註2.)。「酒は飲んでなかった」と弁明しているけど、じゃあシラフでの狼藉なの?そんな人を議員にして置くほど、気仙沼市民は体たらくじゃないよ。当然、自ら議員を辞すものと思っている。辞めないならみんなでリコール(註3.)するしかないよねえ。みなさん。

(佐藤 紀生)



註1.:「ジラ」
・この話は、のりおくんからずっと前に聞いていて、ジラ=XXXX議員と頭の中で自動変換するようになってます。

註2.:駐車場のゲートをぶっ壊して逃走した村上芳文議員
・気仙沼市議会議員で現在3期目の村上議員は、某日深夜、市も出資している第三セクターが経営する市役所に隣接するビル内の駐車場から、ゲートを破って逃走、じゃなくて出庫した。カードを無くして出るに出られず、夜間管理している警備会社に電話したが連絡がとれず、やむなくそのままバーを壊して出たということらしい。会社には詫びを入れ示談もすんでいる。普通に考えれば、酒を飲んでの狼藉だと思うが、証明は難しいよね。
・他の市議会議員の対応だが、共産党社民党を中心に会派を越えた議員がこの問題を重要ととらえていて、彼はとりあえず所属する会派は離れた。さらに、離職を求め口頭で本人に申し入れをしたり、市側にこの情報を市民に報告する義務はなかったのかを正すなどしている。彼が今後も議員として居座るならば、辞職勧告決議案を上程しようかという状況のようだ。
・この件については、市民もそれなりに怒っていて、地元紙には投書なども多いようだ。なんで彼が居座っているかだけど、やっぱり議員報酬が大きからなあ、とか、市議3期目を満了すると恩給が付くからなあ、とか云われている。

註3.:リコール
・地方自治法第13条第80-88条あたりのことらしいが、この場合は市民(選挙人名簿に登録されている人)の1/3以上の署名をあつめ選挙管理委員会に持ち込み、その署名が有効と認められれば、住民投票が行われることになる。その投票で、過半数を得ることが出来ればリコール(解職請求)が成立する。(以上:あずみ)

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Crazy Man Michael / by Fairport Convention