1/5/2003 up   ホーム  インデックス

pin 体脂肪




隠れ肥満。何とも嫌な言葉じゃ、あーりませんか。体形は貧相なのに、お肉は霜降り状態。「とほほ」である。お腹がポコンと出ているのはみっともないし、ここ数年、コレステロール、中性脂肪、血糖値、血圧が日本経済の失速をあざわらうように右肩上がりである。
昔は幾ら食べても太らなかったのになあ —— と腹をたたく。おっ、ポンポコといい音が…。20歳のころは168ンチで、わずか50キロ。ガリガリである。でも食べるのを我慢したなんてことは一度もないし、バクバク食いまくっていたような気がする。そこでよーく考えてみた。するとそこにはちゃんとした理由があったのだ。

まず食事を思い出してみた。貧乏学生だったころの平均的メニューといえば、

 朝「特売の食パン・馬肉入りコンビーフ(註1.挟み」
 昼「特売インスタントラーメン(日替わり・しょうゆ・みそ・塩)モヤシいため載せ」
 夕「特売スパゲティ・マヨネーズあえ魚肉ソーセージ添え。インスタントみそ汁付き」
マヨネーズは大活躍で、たまに買う野菜はもちろん、マヨ丼やマヨパンなど、何でもオーケー。元祖(?)・マヨラーだった。
思えばマヨネーズは安いし、腐らないし、刺身にも合う(註2.、万能の調味料であった。しかも原料は卵と植物油と酢。カロリーもたっぷりで、活動のエネルギー源としても大切な役割を果たしていた。貧乏学生にはまさに理想的なカロリーメイト、うってつけの健康スタミナ食品であったのだ(笑)

金がないから、家で好きなビールを飲むことはほとんどなかった。もっぱら砂糖、牛乳をどっぷり入れたコーヒーを1日5,6杯飲んではいた。全体的に炭水化物と脂肪過多だし、野菜もほとんど摂取していない見事な偏食だ。しかしここでの問題は総熱量。上記のメニューで概算すると、多く見積もって1,600キロカロリーがいいところ(註3.。日によってはもっと食べていたときもあるだろうけど、平均すれば、まあこの前後というあたりに落ち着くのだろう。
1日の活動量にもよるが、軽めの生活活動量の20代の男性の必要カロリーは一般的に2,000キロカロリー。体重の変数をかけると約1,800キロカロリー。ありゃ?つまり「太る」だけのメシを食ってなかったのだ。
酒席は好きなので、飲み代を確保するために外食は極力控えていた。たまに食べても、今みたいに「とんこつラーメン豚の背脂入り」なんて高カロリーメニューもさほど多くなかったし、第一、当時そんな強力な脂ギトギト料理を食べたら、即下痢だったに違いない。
40代となり、少しは食欲も下りたが、それでもラーメンとギョーザ&ビールというのは御の字である。しかし学生時代は、よほど腹が減ってないとラーメンだけで満足だった。ギョーザを食べれば腹はパンパン。ビールの入る余地なんてなかった。金にさほど苦労しなくなると「食べる量が増える」→「胃が大きくなる」→「さらに食う」→「胃がさらに大きくなる」→「うはは、食う!」…という胃拡張の法則が発動されるのであろう。
これが食事面から見た「太らない」理由。

続いてダイエットのもう一つの大切な要素が運動。運動?何せ大の運動嫌いである。中学、高校と運動部に縁がなかった。いや正確に言うと中学は一度テニス部に入ったが1ヶ月で利き手の左手小指を骨折し、退部。高校では2日だけ体操部に席を置いたが、練習が厳しくあっさりと挫折している。筋金入りの根性なしである。もちろん大学でも運動らしい運動はしていなかった。
しかし。ここでも金欠学生だったことが幸いする。それも1日の行動をみてみれば分かる。大学2年から過ごした東京都中野区の西武新宿線新井薬師前での行動をパターン化してみた。

 アパート—駅(往復20分)歩く
 電車内(往復15分)立つ
 駅—学校(同40分)歩く
 キャンパス内(30分)うろうろ
片道60円の学バス代も惜しんで、ひたすら歩いた。
さらにアパートから最寄りの銭湯まで片道7分、公衆電話も遠かった。食料を求めて、友人のアパートまで片道3時間、夜間ウオーキングしたこともあったなあ。
たまには床運動(1時間)というのもあったが、時間には大いなるばらつきがあるので割愛します。
一人暮らしだから、炊事・洗濯、たまの掃除もやらねばならぬ。洗濯はコインランドリーという便利なものもあったが、ケチなので洗面器で下着など小物はよく手洗いした。
いよいよ預金残高がゼロになれば、オールナイトぶっつけ15時間の日雇いバイトでさわやかな汗も流した。
そう。これといった運動は意識してやってはいなかったが、体脂肪を減らすために最も効果のある軽めの有酸素運動、つまりウオーキングをほとんど毎日しっかりと実践していたのだ。
20代前期までは、内蔵を動かしたりする体を維持するのに必要な基礎代謝も高いのだし、加えて「食べる量を控え、適度な運動」という生活をしていたという真実が今白日のもとにさらされたのだ。つまりは金がないため太る暇がなかった、いや太れなかったという訳だ。なるほどね。
太っ腹は健康によくない。小遣いを全然上げてくれないガイにはもう少し太っ腹になってほしいけどさあ(神経はず太いんだから…)。腹鼓(註4.でも打って要求してみようかな。

(佐藤 紀生)



註1.:馬肉入りコンビーフ
・しかも、1缶を一回に喰っちゃうなんてことはなくて、何日かに分けて喰ってたよね、たしか。

註2.:刺身にも合う
・いまは、刺身マヨネーズも市民権を得たけどさ、20数年前にそんなことしたら変態扱いだったような気が。

註3.:1,600キロカロリーがいいところ
・それでも主食が米と小麦で効率がいいからこんだけのカロリーになるんだろうね。昔の貧農の雑穀中心の食事なんてのは、喰っても喰ってもここまでのカロリーにはならなかったらしい。おまけに体内には寄生虫がいたろうし。

註4.:腹鼓
・はらつづみ(はらづつみ):満腹でポンポコ打ちながら交渉しても迫力ないので、ダイエットして鳴らなくなった腹で交渉してね(以上:あずみ)

ya1 馬鹿ミニ ya2

愛の嵐 (曲_バラ肉のタンゴ) / by スネークマン・ショー