2/18/2003 up   ホーム  インデックス

pin フィンガー5




昨年暮れ、利き手の左手人さし指をけがした。カッターで二センチほど切り、血がにじんだ。一週間ほどで傷が消える程度のものだったが、ちょうど指の腹を斜めに傷口が走る形で、食事をはじめボタンを留めるなど日常生活のささいなことがとても不便だった。
「やはり人差し指をけがすると不便だよなあ」と救急バンを貼った指を眺めた。そこであらためて五本の指を見る。暇だったので、指の重要度ランキングを考えた。
まず誰がなんと言おうとナンバーワンは親指だろうなあ。他の指と向き合うことができる唯一の存在で、指を使うほとんどの作業に不可欠だ。親という名もうなずける。一番太くて大きい。指圧もできる力持ちだし、携帯電話のメールもこなすなど頼りがいがある。英語でグッドを表わすときにはぐいっと親指を立てるしね。
二番手はやはり人さし指だな。親指とのコンビでさまざまな役割をこなすし、方向を示したり、トンボの目を回したりもできる。興味深いことには「食指」(註1.が動いたりもする。アイ・アム・ナンバー・ワンと誇らしげに掲げたりもする。パソコンのキーや楽器の演奏などでも一番重要なポジションを占めるし、物をつまんだり、ひねったりと実に繊細な動きを難なくこなす。五人兄弟で一番器用なタイプと言えそうだ。
下位争いは混戦だが、個人的には 3.小指 4.薬指 5.中指 と愚考した。職業などいろんな立場で機能面の重要度は違うと思うので、他の特徴を考えた(註2.
まず小指。小さいながらも約束したり、恋人にかまれたり、会社を辞める原因だったり、ある筋の人たちにはけじめのために必要だったりと、脇役として多彩な顔を持つ。楽器の演奏では小指をいかにうまく使いこなせるかが上手下手の大きな分かれ目だったりする。チャーミングで以外としっかりものの末っ子だ。
薬指。これは名前が粋だよねえ。昔、薬を溶かすときに使った指だからという。別名紅さし指というのも色っぽい。赤い糸で結ばれていたり、結婚、婚約指輪をはめたりしておしゃれだ。普段は出しゃばらず目立たないが、意外と存在感がある。
となると一番地味なのが中指。真ん中にあるから中指…芸がないじゃん!。欧米では人に向かって、この指を間違っても立ててはいけないしなあ。しかし派手な活躍はしないが、ペンやはしを持つときの土台役を果たすなど縁の下の力持ち的存在だ。もくもくと己の仕事を全うする実直なやつだ。
実は日常生活の中で大活躍する場がある。それは車の運転のとき。一番のっぽなので、各種スイッチ類に指が届きやすいのだ(註3.。やはり地味かなあ(笑)。でも今こそ高々と宣言したい大切かつ素晴らしい役割も担う。それは人差し指兄さんと協力してできるピース!サイン。ギブ・ピース・ア・チャンス。世界に平和を!

(佐藤 紀生)



註1.:食指
・食指って、人さし指のことだったっけ??

註2.:他の特徴を考えた
・機能的に考えれば、どうしたって小指は最下位だよなあ。どっかの部族の習慣で、夫を亡くした時に指を一本落とすらしい。8人の夫を亡くした女に残っている指は、やっぱり両親指。その部族では、子薬中人と云う順に落とすのが常識らしい。

註3.:各種スイッチ類に指が届きやすいのだ
・そう云われたので確かめてみたら、その通りだった。全然気にしていないので分からなかったぞ。ってやっぱり地味だな。(以上:あずみ)

ya1 馬鹿ミニ ya2

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