5/4/2005 up   ホーム  インデックス

pin バカ壁




「どうせ私はバカだから」という言葉には二面性がある。謙虚にそう思っている場合。謙遜(けんそん)と照れが半々 —— ということもある。はたまた劣等感の裏返しである怒りや、強烈な嫌みが潜んでいる場合もある。
「私はしがない漁師」「私は田舎の百姓だから」「私はただのサラリーマン」。こうした言葉も要注意だ。本当に謙虚な人もいる。しかし中には、自らの軽はずみな言動の「免罪符」として使う人もいる。枕ことばのように、こうした表現を多用する人は無責任な言動を重ねる確信犯だと思って「間違いない!」。
要するにずるいのだ。「どうせ私は、出が漁師なもんで、上手な口は利けませんが、しかし真実は誰よりも見抜いています。だからつい不調法な物言いになる」という心積もりが見え隠れする。
これが市井の人なら静に苦笑して済ませばいいのだが、公的な立場の人の場合は無視できない。綸(りん)言汗の如し(註1.。公人の言葉は重い。他人の責任を追及する前に、自らの言動にえりを正す必要がないか。やや過剰な表現なら、熱意の表れと許容するが、最近、単に不勉強や思慮不足なだけの放言・失言に出くわす機会が多い(註2.
弁舌鋭く相手を問い詰めるなら、武器はきちんと磨いてほしい。なまくら刀では、返り討ちに遭うのがおちだ。議員報酬は血税で賄っているのだ。国民、県民そして市町民は言論の真剣勝負を望んでいる。

(佐藤 紀生)



註1.:綸(りん)言汗の如し
・天子の言葉は、一度口に出したら汗のごとく元に戻すことはできない。立場のある人の発言には重い責任があると云うこと。江戸いろは歌留多にあったので有名。

註2.:放言・失言に出くわす機会が多い
・平成の市町村合併関係であちこちの議会を見て廻ったのりおくんは、しこたま無責任な議員を見てきた。特に歌津町と本吉町ではいろいろあったらしい。(以上:あずみ)

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