11/22/2009 up   ホーム  インデックス

pin 視線という光




何となく視線を感じ顔を向けると、妙齢の女性と目が合う ──。不思議だが、科学的に説明できるかもしれないという。
人間の目は、暗い星の光さえとらえる感度を持つ。一方、猫ほどではないが目は光を反射する。赤目写真がその証拠だ。
視線を投げかけられたとき、人は相手の目から出た微弱な光を感知し、無意識に光の出所を探り当てる。生物学者の福岡伸一氏が自著「世界は分けてもわからない」 (講談社現代新書) で、そう推論した。なるほど。ぜひ妙齢の女性と目が合いたいもんだ。
目を駆使し、人の脳は顔の識別や表情の読み取りに多くの労力を投入しているそうだ。非力な人類は、ヤブや暗闇で息を潜める猛獣の顔を見逃しては生きていけなかった。弱い者同士が生き延びるためには、敵意と好意などを含め表情を読む能力が必須だった。空気は読めないが、女房の顔色をうかがうのだけは得意なのは、そのせいか。
視線を感じ、表情を読む ──。ということは「冷たい視線」や、期待を込めた「熱い視線」を区別できるのだろうか。ここから政治の話にもっていくのはやぼだが、政治家には熱視線に応える誠実さが欲しいし、逆に冷たい視線にさらされようと信念を貫いてほしい、とも思う。
人の脳は優れているが、多くの錯覚もする。絶対的な正義や理想はない。視線をそらさず、地方議会から国会まで、その政策を見詰めたい。


(佐藤 紀生)



註1.:区別できるのだろうか
・微弱な反射光に、熱い視線のときは赤い、冷たい視線のときは青い色がついているということ? まさかそんなことはないだろうが、視線だけでも意外に好悪を判断できそうな気がするあたり、もしかしてありそう?? (以上:あずみ)


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Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey / by The Beatles