![]() (佐藤家の日常から100)
![]() ![]() ● 午前中の仕事を終え、昼食のために帰宅。
自宅に近づいたところ、そこには見慣れた車。ガイは休みだし……
「トコ姉ちゃんが、来ているんだ」
次の瞬間、トコ姉ちゃん#1.ことガイのすぐ上の姉が今、佐藤家で何をしているかが脳裏に浮かんだ。
そうかそうか、それしかない。それしかありえないっ!
そう確信した私は、思わず笑い声を上げてしまった。
「ブ、ブハッ!」
しかし心の声を擬音化するとすれば、それは「ヒャッホー!」。
車を止め、小走りに自宅へ駆け込む。玄関を上がり、居間を見る。
今度は本当に声が出た。
「やっぱり! やっぱり! 絶対、これしかないっ! 思った通り! 」
そこには…。姉妹仲良く差し向かい、黙々とクリの皮を剥く2人の姿。
「ヒャッホー! 」「ウハハ! 」「ヤッタ! 」
「絶対、2人でクリの皮剥いていると思った! 」
「トコ姉ちゃん呼んで、手伝わせている!」
とたたみかけると
「違うよ! たまたまトコ姉ちゃんが遊びに来たから…」
とガイ
「いや、いや」
「違うってば」
というのがしばし続いた。久々に腹が痛くなるほど笑った 9月30日午前11時55分過ぎであった。
なぜ私がそこまで喜んだのか?
話は前日にさかのぼる。
帰宅すると台所のテーブルには、地元産の大ぶりなクリ。私の顔を見るなりガイは「明日はクリご飯! 」と鼻息荒く宣言した。
ガイも私もクリご飯は大好物だ。そしてその年、初の栗ご飯はサンマ塩焼きとのセットであることは佐藤家のお約束である。
私の頬も初物にほころんだが、ガイが小さく呟くのは聞き逃さなかった
「でもクリって皮剥くのが面倒なのがねえ…」
仕事を終えて帰宅した後、夕食の準備をなるべくソソクサと済ませ、残った時間を「ウダウダ」と過ごすことを優先させたいガイにとって、面倒なクリ剥き作業をするなんてもってのほか。
でも、休みの日なら、嫌々ながらも「クリご飯を食べたい」という食欲が、面倒さに打ち勝つ。
そう。皆さんはもうお判りだと思う。
「ガイ・シンク : クリご飯食べたい」
「ガイ・シンク : でもクリ剥き面倒」
「ガイ・シンク : シスター・トコ佐藤家来る」
「ガイ・シンク : うへへ! ヘルプ・ミー! 」
「ガイ・シンク : アイム・ハッピー、うへへ」
ガイ曰く。
「私が、トコ姉ちゃんを呼んだんじゃないよ」
「クリ剥きをしようと思って、準備を始めようとした矢先に、トコ姉ちゃんから『遊びに行っていい? 』という電話あったの」
「クリ剥きしてたら、トコ姉ちゃんが手伝ってくれただけだから」
との弁明のあいだ、トコ姉ちゃんは、ニコニコ笑っているだけ。
たとえ、トコ姉ちゃんの意思で遊びに来たのだとしても、ちゃっかり気質を娘・あきにDNAで一子相伝したガイ#2.のこと、ちゃっかりトコ姉ちゃんにクリ剥きを手伝だわせたに違いない。誰が何と言おうとそうなのだ。
ゆえに冒頭、トコ姉ちゃんの車を見た瞬間
「アイ・シンク : トコ姉ちゃんが来ている! うはは! 」
「アイ・シンク : ぜってー、手伝わせている。うはは! 」
となったわけだ。これを確信と言わず何と言おう! 小鼻が2倍に広がる。
佐藤家の日常その100話目は、まさに日常そのものであった。
そうそう100話記念の外伝もある。
写真で見てもらおう。
佐藤家の日常、朝。
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玄関。下駄箱の上。冷めたコーヒーの入った湯飲み茶わん。ガイが出勤する車の中で飲もうと#3.用意したものの、今日も忘れられたと嘆いている。
佐藤家の日常、同じく朝。秋の台所のテーブル。
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一緒に出勤できず携帯電話の機能を果たせず、蒸したサツマイモとコラボするガイの「不携帯電話」の嘆き。
佐藤家の日常。「膝が痛い」というガイがテレビを見ながら書いたメモ。
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一番、肝心な部分が抜けていたので、メモの最後に加筆した。
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親切に書いてあげたのに、ガイから怒られた(笑)
佐藤家の日常は、続く。
そうそう、大きなクリがゴロゴロ入ったクリご飯はもちろん、「Bigリ」するほど「おいしゅうございました」。
( のりお )
![]() ![]() ▲ あずみによる脚註
のりおくんに栗剥かせたらどうなるかわかってるから、ガイもトコ姉ちゃん呼ぶのねー。
2.) ちゃっかり気質を娘・あきにDNAで一子相伝した:
ガイは末っ子だしたしかにそういうところはあるのだろうが、でものりおくんだって、ちゃっかり千円ちょろまかしたりするし (ちょろまかしの誤算▼参照)、気弱な我田引水的ちゃっかりも得意だしねー。だとすると、あきちゃんは、朗らかで強気な我田引水的ちゃっかりってことになるねー(笑)
3.) ガイが出勤する車の中で飲もうと:
水筒とかタンブラーみたいのじゃなくて、湯飲みにコーヒーを入れて車に持ち込むとは、さすがガイおかーさん男前だねー。 |