pin負けず嫌いの漢字検定
(佐藤家の日常から37)
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ガイは負けず嫌いである

人生において、負けず嫌いは決して悪いことではない。七転び八起き。捲土重来。ネバー・ギブ・アップ‥‥。
しかし、そのパワーは、ここぞというときに発揮してこそ、人生の逆転劇が可能だったりと有効活用できるのであって、これが「のべつ幕なし」では、周りにいる人間はえらい迷惑である。
ガイの「のべつ幕なしの負けず嫌い」#1).。これがあきとの親娘ゲンカの原因となることがまれではない。
ガイの負けず嫌いの血を引くあきは、英語検定をはじめ検定が大好きである。この場合の負けず嫌いはプラスに作用しており、さすが頭脳明晰な父親のDNA#2).をしっかりと受け継いでおり、実に素晴らしい。
2年生に進級したのを機に、今度は漢字検定#3).に挑戦するという。えらいぞ!あき!その勢いで、ぜひ学費の安い国公立大に進学してほしいぞ!お父さんの小遣いが、これ以上目減りしないように協力してほしいもんだ。

この漢字検定挑戦をガイに報告したときのこと‥‥

「お母さん、漢字検定受けたいの」
「漢字検定?漢字なんて普段の勉強で十分でしょ。お母さん、漢字は得意だったんだよ。教科書で勉強すればいいでしょ」
漢字が得意?うそこくでない#4).。結婚式に出す「ご祝儀」の「儀」の字を堂々と「犠牲」の「犠」と書いたは、どこのどいつだ?確かに、出す方にとっては、懐が痛むので「犠」でもいいような気がするところが恐ろしいけど‥‥。
ガイにとっては、すべての間違い、勘違いが「たまたま」だったり、「ど忘れ」だったりする。「たまたま」という日本語の意味を「2回に1回ぐらいの頻度」、「ど忘れ」は「健康な人間が、1日に1回程度はあるごく普通の物忘れ」という説明に変えないといけない。
さて、この母親の理不尽な文句にはあきちゃんでなくても、ピキーンと額に青筋が浮かぶというものだ。やる気に水を差されたあきは、泣いたり、怒ったりと大変だったらしい。うんうん。分かる、分かる。ガイの、この不用意な発言に潜んでいるのが生来の「のべつ幕なし」の負けん気であることは明白であって、実に困ったもんだ。風邪でも引こうものなら「根性が足りない」#5).と罵られてばかりなので、あきの気持ちは痛いほど分かるぞ。
しかし、そこは根性の入った娘だ。
「お母さんなんか大嫌い!私、傷ついたからね。お母さんみたく、心臓に毛が生えている人ばかりじゃないんだよ。もう、ハリセンで3回叩いてやりたい!」
とハリセン、もといカウンターパンチを2発お見舞いするや、涙を飛ばしながら、ダーッと走って、自分の部屋に消えた。
ハリセンというのが、何とも素晴らしいではないか。なぜハリセンがあきの頭に浮かんだのかは想像の域だが(チャンバラトリオ#6).を知っているのだろうか?)、ドツキ漫才の必須アイテムを登場させるあたりに、あきちゃんのガイに対する愛憎がない交ぜになっていて、実に愛らしい。
この勝負はあきのTKO勝ちでしょうね。ガイは決して、負けを認めないだろうけどさ(笑)。

( のりお )

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あずみによる脚註
あきちゃんの可愛い性格がにじみ出ているようなエピソードだねえ。
1.) 「のべつ幕なしの負けず嫌い」:
ガイの負けず嫌いは、おれが見ても相当なレベルだと思う。運動神経もいいし、どうせならオリンピックにでも出ればよかったのに。
2.) 頭脳明晰な父親のDNA:
頭脳明晰な割には、この文章は破綻してるのですけど。頭脳明晰な父親の血を受け継いでと書くことにより、検定にはことごとく合格していることを暗示しているのかもしれないが、明晰な暗示ではないよねえ。
3.) 漢字検定:
フジテレビの「100%キャイ〜ン!」という番組内で、ウド鈴木が漢字検定2級挑戦、見事合格。さらには、いろんなタレントが挑戦するということもあり、漢字検定はなになら盛り上がっているのですね。
4.) 漢字が得意?うそこくでない:
そういえば、小学生からやり直しても同じか?にもなんか書いてあったような気がする。
5.) 「根性が足りない」:
のりおくんの根性が足りないのは、議論の余地無き事実だとおもう。
6.) チャンバラトリオ:
チャンバラトリオから結城哲也と伊吹太郎が、もうずいぶん前に脱退してたってのも知ってました?チャンバラトリオと云えば、南方英二、伊吹太郎、結城哲也、山根伸助の4人で、「大阪名物ハリセンチョップ」をバリバリ張りまくってたイメージしかないよねえ。





漢字は覚えていて損しないからねえ(ため息)