pin姉弟クイズ合戦
(佐藤家の日常から75)
yoko
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2008年暮れのこと


私の弟2人と妹、そして仙台に就職したあき、八王子で大学に通うゆーたが相次いで帰省した。そして09年もにぎにぎしく明けた。
大晦日は出番だったため出社。とは言っても仕事は初売り準備の取材のみ。後の紙面#1.はすべて前日までに出来上がっており、早々と店じまい。帰宅すると、台所からゆーたとあきの声が聞こえてきた。

「次の問題です。フランスとスペインの国境にある、東西に走る山脈は?」
「……」
「お姉ちゃん、時間がありません。5、4、3、2…」
「ヒ$#マ山脈」
「えっ?ちゃんと答えてください」
「だからヒマラヤ山脈」
「ブップー!残念。答えはピレネー山脈でした」
「あっ、そうだった。ピレネー、ピレネー」

姉弟クイズ合戦か?
でも、一般常識の本を読むゆーた、ばーちゃんの昼飯の準備をしながら、答えるあき…。どこかで見たような光景だなあ(笑)#2.

それはそうと、口から出任せにヒマラヤ山脈と言ったくせに…(笑)。うん? でも最初変な言い方しなかったか?

「あき、今ヒラヤマ山脈って言わなかったか?」
「あっ、おれもそう思った。ヒラヤマだって。お姉ちゃん、大丈夫? うはは!」
「ちょっと滑舌が悪かっただけだってば」

しかし。ヒラヤマ。漢字に直せば平山か? 世界の屋根であるヒマラヤ山脈を、よりによって平らな山並みにしてしまうセンスは、さすがにあきちゃんならでは。#3.
もしかしたら日本のどこぞにあるかもしれん ーー とヤホーやゴーグル#4.で検索したが、残念ながら発見できなかった。
社会人となっても天然ぶりはいささかも変わっていない。まあ母親が、日々天然ぶりに磨きをかけているのを見ても、むべ成るかなではある。

「しかし」と想像する。縁があって万が一、テレビのクイズ番組なんぞでやらかしたらどうなるんだろ? おバカを売り物にしたタレントと同じく、人気者になる? うはは! それは、天然すっとこどっこい娘を持つおやぢの初夢といったところかも。

年明け後、ガイに同じ質問をしてみた。
「5…」
「アンデス山脈!」
回答が思いっきり早い分、娘には勝ったかもしれない(笑)

ということで、佐藤家は09年もおバカだぞ!


( のりお )

yoko
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あずみによる脚註
ほんと、実際に見てはいないんだけど、懐かしい風景に思えるから不思議だ。
1.) 後の紙面:
のりおくんは地方新聞の記者である。新聞の元旦号は、前々から取材をして作っておくものなんですね。
2.) どこかで見たような光景だなあ(笑):
あきお姉ちゃんは中学のときガイおかあさんと似たような試験勉強を延々やってたよなあ。吉本おかんの敗北▼の脚注部分を参照してね。ゆーたも高校受験のとき、両親からみつしり絞られていたっけ。ゆーただっていい国つくろうと思ってるだろ▼参照のこと。
3.) さすがにあきちゃんならでは。:
わしが敬愛する内田百閒は、平山三郎という編集者を、ヒマラヤ山系という名で阿房列車などの鉄道随筆に登場させているのだが、それは関係ないでしょうか?
4.) ヤホーやゴーグル:
云うまでもなく、Yahoo! や Google のこと。しかし、この圧倒的にダサく寒いギャグはなんとかならんのか!




じゃあ、ゆーたはちゃんと答えられたのかな。